 |
 |
所長のひとり言 45
八ヶ岳もようやく春の兆しが感じられる日差しになってきました。
この冬は昨年に増して雪に悩まされました。
特に二月十四日の大雪は大変なものでした。
朝からちらほら雪が舞いだし、自然教室三日目の宮前平中学校がスキーをせずに早めに帰る判断をされたことは大正解でした。
お昼頃には雪は30cmの積雪を超え、中央自動車道も午後には全線で通行止めになりました。
それから自然の家周辺の道は通行不能になり、私と若いスタッフ二人は十七日まで自然の家から出られなくなりました。
幸い陸の孤島にはなりましたが食料・燃料は有り、電気も電話も通じてはいましたが、三日間除雪をやり続け男二人で食事を作りまるで学生の合宿の様でした。
狂瀾怒濤の状況のなかで人との繋がりを感じた時もありました。
自然の家に入るあたりを除雪していた時、開いた道をシカの親子が歩いていました。
これだけの大雪が降るとシカは動けなくなり死んでしまうことがあります。
人様も同様に富士見町に通じる道の除雪が間に合わず車で行けない状況になりました。
偶然、除雪中に近くの別荘の方と会い「車が出せない為、食料がない。七人で赤ん坊もいる」との話で自然の家の食料をお分けしました。
こんなに科学が進んでも一mの積雪で道路は雪に閉ざされ車は動けなくなり、食糧や燃料に不安を覚える瞬間があるとは日頃の生活ではなかなか考えられないことです。
そのなかでの出会いでしたのでとても人との繋がりの大事さを感じる瞬間でした。
利用では自然教室も延期になり関係者の方々には大変ご心配をかけしました。
その雪もほとんど消えて、もうすぐ春の自然教室の実地踏査が実施されます。
暖かい八ヶ岳で子供たちの声が響く日が近づいてきています。

2014.3.26 少年自然の家所長 春山明裕 |